【つくった】テーパードパンツ

Hおばちゃんが亡くなった。おばちゃんとの関係を説明するのはけっこう難しくて、血の繋がっていない家族、が一番正しいと思う。夫のお父さんの奥さん、でも夫の実母ではない。さらに2人の間に婚姻関係はないので、法律上はまったくの他人。だからお葬式のお花を持っていったときに「どなたからですか」って聞かれて、なんて答えていいかわからなかった。

私が最初にフランスに来た2003年1月から、ずっと休みもクリスマスも一緒に過ごすことが多かったので、あまり大きい声では言えないが、旦那の実母(数年前に他界)よりもずっと多くの時間を過ごした。おばちゃんには3人子供がいるのだけれど、離婚したときにかなりもめたらしく、自分の子供とは30年ぐらい会ってなかった。詳しい話は知らないのだが、お葬式の席で初めてお子さんと会った。写真で見せてもらったとおりの人たちだった。


おばちゃんは元農家で土地(池つき)を持ってて、うちの家族みんな夏も冬もそこで過ごす時間が好きだった。

おばちゃんの姪っ子さんから「私たちは子供のころHおばちゃんのところで休みを過ごしてきたけど、最近はずっとあなたたちが一緒だったのよね」って言われた。彼女は自分の人生のほとんどの時間をここで過ごしてきたんだろう、だからあんまりあちこちに遠出をする人ではなかった。でも人を呼んでわいわい騒ぐのは大好き。動物や植物と話しができるところが私の日本の祖母と一緒だった。今ごろ2人はあの世で出会っているかもしれない。



一人残された義父は、絶対に自分のほうが先に逝くと思ってたらしく「人生はわからないものだな」とつぶやいていた。

死去から1週間たっても、朝起きるとなんとなく心が重い。そういうときにやることがあるのはありがたいなあと思う。仕事とか、家事とか、あとまあやっぱり趣味は人を救いますよね。そういうわけでテーパードパンツを作りました。


これ同じパターンで、たぶん3つ目ぐらい。軽いウールの生地はお店の人に「最近入ってきた布ですよ」って教えてもらった。しかしちょっと薄めなので、たぶん春先か秋口だね、履くのは。もうちょっとストレッチがきいてるとよかったな。

以上、Hおばちゃんの思い出でした。

パターン:中野ユカリ『大人の日常服』テーパードパンツ Lサイズ
布:ウール( Tissus Myrtille ) 2メートル20 27ユーロ

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