【見た】Cousu main 第2シーズンとPatron Incognito

以前も書いたCousu main、第2シーズンがこの1月から放送されているので、やっぱり毎週チェック。アマチュアクチュリエが毎週2つのお題をこなし、一番出来の悪い人から退場となるお裁縫リアリティ番組。優勝者は自分の名前で洋裁本が出せる。前回よりも審判2人(オートクチュール業界でバリバリやってきたマダムと老舗テイラーの若い店主)が参加者にかなり寄り添っている感じがして、今回のほうがずっと安心して見れる。

私が一番いいなあと思った参加者は、普段はいろんな工事現場で仕事をしている、若いお兄ちゃん。子供のころ、動き回りすぎていつも洋服に穴をあけており、毎回お母さんに怒られるのが嫌で、自分で洋服の修理を始めたところから、今の洋裁ライフに至る、という経歴の持ち主。子供にガミガミ言うのも、こういう結果になるなら悪くないなあと思った。得意分野はパーカーやスウェットっていうところにも、しっかり個性が出ている。

もう一つ久しぶりに面白いと思ったテレビ番組は、Patron Incognito。これまたチャンネルはM6。大企業の社長が変装をして、自分の会社の現場で「失業中の研修者」という立場で仕事をしてみる、というもの。当然いつもやってる仕事とは全然違うので、社長は何も知らない社員からダメ出しの連続。社員のほうも自分の会社のトップとはつゆ知らず、一緒に仕事をするのだが、後日いつもの姿の社長と面談。はじめは目の前にいる人が誰だかわからない社員も、実はこの人が自分の会社の社長で、変装して自分と一緒に仕事をしていたことがわかると、とたんに顔色が変わる(ここはちょっと気の毒…)。

何社かのエピソードを見たけど、一番よかったのがマットレスの会社の社長。自分のおじいさんが作った会社だとかで、グランゼコールなどを卒業したわけではないが、なかなかのやり手。孫にあたるこのおじさんの一代で、会社はかなり大きくなった模様。普段着ているスーツを脱ぎ、カジュアルな格好で失業者として研修を受ける。

販売の研修では若い女性社員が、たった一人でお店を切り盛りしている人事の状況に疑問を感じ、倉庫の研修では、マットレス管理体制が全然なっていないことを実感。欲しいマットレスを探すのに2時間かけていた。お客さんの家まで搬送するトラックにも同乗。営業マン並みの気遣いでお客さんと接するトラック運転手に感心する社長。倉庫でも危ない作業があったり、トラック運転手が運転しながら携帯を使ったりするのを目の当たりにして、社員に何かあったら自分の責任、とにかく安全第一!を再確認していた。

そして「研修」後の社員との面談。旦那が失業中という一人で店の店員をしていた女性には、旦那を同じ店の店員として採用。「スペインあたりに家族で旅行に行きたいけど、時間もお金もない」とこぼしていた倉庫のお兄さんには、会社からスペイン旅行をプレゼント。「アフターサービス部門」に行きたいと言っていたトラック運転手には、そのポストを与えていた。

どの会社を見ても、管理部門トップの人たちはあんまり見栄えも仕事している事務所も変わらない。みんなスーツを着て、分厚いファイルを持って会議に参加する、っていう感じ。でも現場は会社によって全然違う。着てる服も、やってる仕事内容も、そしてもちろんそれぞれの人生も。

ちなみに現場のことをテラン(地上)と呼んでたりもして、いかにディレクションと現場がかけ離れているかがわかる言葉だなあと思った。

今年はテレビが面白いわー。

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