【ふりかえった】今年よかったもの 読書・映画編

昨年2019年のふりかえり記事、読書編はこちら。アミン・マアルーフは結局読めてない。

近所に新しくできたタイポグラフィーのお店で見かけたカード(?)

今年はあんまりたくさん本、読めてない。それはひとえに没後50年ということで三島由紀夫の『豊穣の海』シリーズ全4巻を読もうと思い立ったから。『春の雪』は何回か読んだけど、続きを知らないのだ。でも結局これも年内には全巻読み終わりそうにない…今まだ2巻目の『奔馬』読み終わって、3巻目の『暁の寺』を読み始めたところ。これまたタイ語の名前が覚えられないのでメモを取りながら読んでいる。あんまり集中もできてないけど、一応スロー・リーディングということで。

3月のロックダウン直前に、同じ町に住んでいる日本人の方から本を50冊以上タダ同然で譲り受けたのは、本当にありがたかった。『豊穣の海』シリーズがそろったのもそのおかげだし、村上春樹と再会できたのも嬉しい。安部公房の『砂の女』を読んだのも春のロックダウン中で、ある男が閉じ込められている話を自分が閉じ込められているときに読むという、精神衛生上あんまりよろしくないけど、こんなにタイミングよく似たような環境になることもそうそうあるまい。

年内に何度か、自分が読んだ本を人前で発表する機会があったのも貴重な体験でした。聞いてくださったみなさま、ありがとう!来年はもっといいプレゼンできるように精進します。『女の子は本当にピンクが好きなのか』を紹介したときに、聴衆の方から教えてもらった『これからの男の子たちへ「男らしさ」から自由になるためのレッスン』がとてもよかった。この2冊はぜひセットで読んでいただきたい。16歳になった息子はそろそろ大人の社会に出て行ってもいい頃で、おかーさんはいろいろ思うところがあるのだよ、口には出してないけど。この本読んで、自分の子だけじゃなくて、その友達やまわりの男子、さらに言うと大人の男性にだって、どういう言葉をかけるか、もっと注意しなきゃダメだと深く反省。フランス社会もけっこうマッチョですからねえ、DVが多いのもそのへん関係あるのかも。

それからサンキュー・タツオ随筆集『これやこの』。ラジオ番組になる直前の「東京ポッド許可局」でこんな日本語の先生がいるのか!と衝撃を受けてから、密かにファン。ラジオやYoutubeではおどけた芸人の顔をしてらっしゃるけど、この人、本気で文章書くとこんなにエレガントな人なのか!ってまたまたびっくりした。文体論がご専門なのは知ってたけど、この上品さの源泉は落語なのか、早くに亡くした父親なのか、アルバイト先の古本屋店主なのか。

この冬休みに読んでるのが、これまたデミたま(『本当にピンクが好きなのか』と同じ著者)の『スゴ母列伝』。岡本太郎のお母さん、岡本かの子がしょっぱなに出てきてて、「えっこんな大物をトップに??」って思ったけど、それだけ彼女の生き方が狭苦しい育児を強いられてる女性たちを勇気付けてきたっていうことだと思う。Web連載時にはなかった女性がとりあげられているのも嬉しい。

おまけの映画編。今年1位は年の初めに子どもと観た「ジョジョ・ラビット」。


あと春のロックダウン中に繰り返し何度も何度も観た、「カメラを止めるな!リモート大作戦!」、息子の高校のフランス語の先生にもおすすめしちゃった!映画作品に、作ってくれて本当にありがとうって感謝したの、初めてだったかも。

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