【つくった】Vネックプルオーバー

秋のトップス祭りー(パチパチパチ)。前にも作ったVネックプルオーバーです。これ、首もとから肩にかけてのラインが素晴らしいので、マイユニフォームに認定。見返しとそでぐりのバイアステープを別布にして、アクセントにしました。簡単におしゃれにできる小ワザだす。


最近はミシン踏みながらNHKの100分de名著シリーズをBGMに流していて、おかげでひさしぶりに夏目漱石の『こころ』を読み返すことに。これも高校2年生のときだったと思うけど、半年以上かけて全部読む、っていう国語の授業があった。たぶん日本の国語教育にはかかせない作品のひとつなんだろうけど(ちなみに日本で一番売れている本でもあるらしい)、フランス語ではタイトルが - Le pauvre coeur des hommes -ってなってるの、知ってました?そんな風に勝手に心を「貧しい」なんてジャッジされると、ちょっとムッとなるけどね。

この先生の遺書もたぶん日本文学界ではおそらく一番有名な遺書で、ときどき他の小説でもその特異性をイジられていたりするのも見る。三浦しをん『舟を編む』では辞書編集者が「あんなに長かったら懐なんかに入らないでしょ」とずばり指摘したり(確かに)、吉田修一の確か『パレード』だったと思うけど、「うまく理想の師匠みたいなのが見つかっても、勝手に自殺されたりなんかしたらたまらない」ってつぶやく青年が出てきたり。

内田樹は著書『先生はえらい』の中で、漱石は『こころ』の先生を通して何が言いたかったのか、を分析しているので、興味のあるかたはこちらもぜひ。高校の時の授業では、明治という時代とか田舎と都会の対比とか、冒頭で「わたし」は先生のことを「本名はあかせない、よそよそしい頭文字は使う気にならない」と言っているのに、先生の遺書では親友の名前がKになってるとか、今から考えるとけっこう深ーい文学論を16、7歳にやらせるなんて、先生勇気あるなあ。

40代の今の読むと、遺書よりも「わたし」のお父さんの病床での様子がわりと細かく書かれているのに目が止まったり。人間が衰えていく過程に(また描写が細かいんだ)惹かれるっていうのは、結局私が歳とったってことなんでしょうけど。


パターン:『大人にいい服』(日本ヴォーグ社)Vネックプルオーバー Lサイズ
布:コットン キモノスリーブトップスの残り布、aime comme Montmartreの裏地残り布

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